中学受験12月の合不合、合格率20%で第1志望に合格できた勉強法

中学受験12月の合不合、合格率20%で第1志望に合格できた勉強法

合格

我が家の子どもの中学受験、最終的には第1志望に合格できましたが、それでも、12月に受けた四谷大塚の合不合判定テストでは合格率は20%でした。

今回はそんな状態から、最後に逆転合格を掴みとっつた子どもの勉強法を振り返ってみたいと思います。

なお、この記事はあくまで個人の体験談です。個人的には、中学受験では基本的にはプロである塾や家庭教師の方針を大切にすべきとは考えておりますため、その点は考慮して記事はお読みください。

1. 模試の結果はあくまで参考

模試はその時点での実力を測るには有効なツールですが、目指している志望校の問題傾向とは当然違うため、あくまで参考程度にすべきものです。

もちろんだからといって受ける意味が無い、ということではなく、模試での合格の確率は絶対的なものではない、という意味です。

特に上位校になってくれば、学校ごとに試験の方向性や配点も大きく異なるため、模試の結果だけを見て判断するのは危険です。

逆に基礎的な学力が重要となる中位校までであれば、模試の結果は上位校以上に確度が高くなるはずです。受ける模試により難易度は異なりますが、共通して言えるのは、基礎的な力を付けていなければ、模試である程度の得点を取ることは難しいからです。

目指す志望校によって、模試の活用方法も視点を変えてみる必要があるとも言えます。

2. 過去問のやりこみ

我が家の場合は、最後は過去問をやりこみました。

志望校を途中で変更したこともあり、最終的に第1志望を決めたのが11月頃と遅かったのですが、それでも過去問は約5年分について各年2回やりました。

以下に我が家で行なった方法についてもう少し詳しく書いていきます。

なお我が家では、最新年度は本番と同じ問題と解答用紙を学校見学の時にもらったため、それ以外の年度を基本的には古い年から順番に解いていき、本番直前になって前年度分を本番とほぼ同じ時間割で取り組むようにしました。

解き直し問題集の作成

1回目をやった時点では、いずれも合格最低点に届きませんでした。また普通は解いて終わりでは無く、その後の解き直しも重要になるのですが、我が家の子どもは、解いて答え合わせをしたらそれで完了という気持ちが強く、解き直しがほとんど出来ていませんでした。

そこで私が、解き終わった解答用紙を見ながら、よく間違えている問題が多い大門を選び、問題と解答用紙をコピー、それを年度はランダムにノートに貼り、専用の解き直し問題集を作りました。

普段は解き直しが中々出来なかった子どもですが、解き直し問題集をつくることでそれだけをする時間を作り、解き直しの時間をとることが出来ました。

また塾の通常の授業や特別講習に加えて、個別での志望校対策も受講し、そこで特に重要な科目の解き直しも徹底して行いました。

合格点をとることの重要さ

そうして対策を行った結果、2回目の過去問チャレンジでは、ほとんどの回で合格最低点を超えることが出来ました。

2回目なら当たり前じゃ無いか、と思われるかも知れないのですが、同じ問題でも時間をたてばやはり忘れてしまい、解けるとは限らないのです。

また1度目に間違えた時に答えを見ただけで解き方を確認しなければ、2回目でも解けないことが多いでしょう。つまり、2回目でしっかり解けたと言うことは、それだけ学力を付けることが出来た、と言うことです。

ここがある意味重要で、2回目であったとしても合格最低点を超えられたと言うことは、しっかり勉強すれば合格できるのだ、という自信を付けることが出来るのです。

もちろん、問題を覚えてしまうため何回もやることは意味がない、という意見もあるでしょう。ただ、限られた制限時間の中で1度解いただけの問題を、解き直しもせずに答えだけを覚える、と言うことはそんなに容易な事ではありません。

それでも4回も5回もやれば覚えてしまうかも知れませんが、2回であれば、十分に複数回をしっかりとする効果はあると思います。

問題傾向を本人が把握

また何度も過去問をやりこむことで、その学校の問題傾向もある程度本人が把握できます。こういった問題の出し方をするのだ、こういう分野はほとんど出ない、意地悪な問題もあるなどなどです。

塾の先生の話や過去問集の解説などでもある程度の傾向は説明されていますが、やはり本人がしっかりとやりこんで身にしみて傾向を把握することは、最後最後の勉強には役に立ったはずです。

人は他人が言うことは案外聞き逃していたり覚えていなかったりするのですが、自分で経験したことは覚えていることが多かったりします。

我が家の子どもも、本番直前には自分で覚えた傾向から勉強範囲を決め、実際に本番の試験ではその範囲から出たという問題もありました。

3. 問題には向き不向きがある

先に我が家では最終的に志望校を変えたと書きましたが、これは、最初に志望していた学校は、過去問を解いた上で問題に向いていないと感じたからです。

同じ学力の子どもであっても、個人個人で向き不向きというのはどうしてもあります。計算がとても速い子ども、記述問題が得意な子ども、図形問題が得意な子どもなど、様々です。

これは学力の問題ではなく、本人の得意・不得意の問題です。

スポーツの話で例えれば、運動が出来る子どもであっても、野球が得意な人がいれば、サッカーが得意な人もいます。もちろん、ある一定のレベルまでであれば、「スポーツが得意」ということでサッカーも野球も問題なく出来るかも知れません。

ただ、難易度が上がっていけば行くほど、やはり、自分が得意とするスポーツの方が実力を発揮できるはずです。

そのことは受験や勉強でも同じで、ある程度のレベルまでであれば、向き不向きに関係なく問題を解けるはずです。実力がある子どもであればあるほど、そうだとは思います。ただ、上位校になってくれば、それぞれの学校で傾向が異なってきて、同じ「難しい」でも、その内容が大きく異なるのです。

我が家の場合、最初の志望校は本人が問題を解いてみた上でどうしても向いていない問題が多かったのです。たくさん勉強して実力を付けたはずなのに、問題が解けない、そして解ける気もしない、そういった状況に陥りそうになりました。

本人もこの時には自信を失いそうになり、挫折しそうにもなってしまいました。

そこで最終的には、当初の志望校よりも模試での偏差値は上だったものの、本人が解きやすい形式の問題が多い学校へと志望校を変更しました。

もちろんその学校の過去問も最初からすらすら解けたのではありませんでした。ただ、「頑張れば解けそう」と本人が思うことが出来ました。

入試問題というのは、その学校がどの様な子どもに入学して欲しいか、ということを知らせるものでもあります。そのため、向いていない問題が多い学校の場合は、入学した後もその様な授業が多い可能性があります。

逆に自分に向いている、得意な傾向だと思える問題であれば、入学後もそのような傾向の授業が多いかも知れません。

そして大切なことは、本人が「解ける」と思える出題であると言うことです。ここは最後の追い込み勉強をするときのモチベーションにも関わるため、過去問をしっかりと解いた上で合う問題か合わない問題かは、しっかりと見極めた方が良いです。

4. 得意科目を伸ばす

中学受験の問題は、基本的には「国語」「算数」「理科」「社会」の4科目があります(学校によっては英語もありますが)。

ただ当然ながら、この4科目の重要度が全て同じというわけではありません。

特にテストの配点は理科と社会が低くなっていることが多いです。また学校によっては、算数1科目や、算数と国語、算数と理科などの2科目受験も可能です。

ただし、もし受験する学校の出題が国語と算数だけなど特定科目を使わないことがあったとしても、個人的な意見としては、ある程度の時期までは4科目を勉強しておくべきかとは思います。これは、特定の科目を早い時期に捨ててしまえば、最終的な選択肢がそれだけ狭くなってしまうからです。

とは言っても、直前期になれば話は別です。学校によって配点や出題科目が違うのであれば、当然それに合わせて勉強時間の配分も調節すべきです。

そしてその中でも、苦手科目を克服しようとするよりは、得意科目を伸ばそうとした方が最後の時期には良かったかと思います。

試験直前期になるとあせりも出てきます。その中で勉強しようとすれば、どんどん実力が伸びていく感覚がつかめる科目の方が良いはずです。例えば国語と算数の配点が同じで算数が得意という人の場合は、算数を重点的にやって取りこぼしがないようにした方が、最終盤の勉強としては向いていたと思います。

我が家の子どもも、最後は苦手科目の勉強はほとんどせずに、実際の受験で重要となる科目、そして自分が得意な科目の勉強に集中しました。

なお念のため付け加えますが、苦手科目と言ってももしその科目を受験本番で使うのであれば、基礎的な部分までは点数を取れるようにしておき、大きな取りこぼしない程度には学力は付けておくべきです。その上で、直前期は得意科目の学力をさらに伸ばすことに重点を置いた方が効率的ではあるかと思います。

5. 集中して勉強出来る環境を作る

我が家では感染症対策のため、受験前の1週間は学校を休みました。ただ、子どもは中々1人では集中が続かないようなとこもありました。

そこで勉強だけに集中できる環境を作るため、ホテルの1室を借りて、子どもと2人だけの2泊3日のプチ合宿を行ないました。

自習室など人が集まるところでの感染症リスクを下げるという意味もありましたが、家の中では勉強以外の誘惑も多くあるため、それが強制的に無い環境を作って最後の追い込みを行ないました。

ホテルの1室を借りるまでしなくても良いかもしれませんが、ゲームや漫画などの誘惑が無く、勉強に集中できる「環境」を用意してあげることも、親がしてあげられるサポートかとは思います。

特に最後の最後、もう時間が無い追い込みの時には、勉強だけをしっかりできる「空間」があることは重要です。

子どもが自分の力で勉強以外の誘惑を断ち切ることは、思っている以上に難しいことです。直前期なのだからさすがにそんなことは無いだろう、と思うかも知れませんが、人は突然誘惑に強くなると言うことはありません。直前期だからこそ、ちょっとした息抜きでとネットで動画をたみり、漫画を読んだりして、思った以上に時間を使ってしまうことがあるのです。

そういうことも考慮に入れて、できる限り「本人が努力せずとも勉強に集中できる環境」は用意してあげた方が良いです。

6. 勉強スケジュールを作る

上に書いたプチ合宿も含めて、最後の1カ月ぐらいは毎日何をするのかという細かい勉強のスケジュールを私が用意しました。

自分でスケジュールを立てられるような子どもであれば、やることも自分で決めていけるかも知れませんが、小学生の子どもには中々それは難しい面もあります。

そして直前期には、先にも少し触れたようにあれもこれも勉強するのでは無く、必要な物に絞り込んだ勉強も必要となります。そのために何を勉強するのか、という準備にも実は時間がかかります。

例えば過去問で間違えが多かった分野や、これまでの模試で得点が取れなかった分野など、特に弱点になりそうな分野を洗い出し、それを補強できるような問題を集めることは、文字に書けばたいしたことが無いように見えますが、実際にしてみるとすぐに出来る作業ではありません。

このような「何を勉強すべきか」という洗い出しは、子ども自身で時間を削って行なうよりは、親がサポートしてあげて、本人にはできるだけ勉強の時間を確保してあげる方が良いでしょう。もちろん塾や家庭教師などのサポートを受けられるのであれば、それも最大限活用すべきです。

そして洗い出した「必要な勉強」を本番までに消化できるようにするためには、事前のスケジュール組が大切となります。

スケジュールを組んだとしても計画した物は全て出来ないことの方が多いです。ではなおさら、スケジュールも組まずに流れに任せて勉強していれば、本来しておくべき重要なポイントをやり忘れてしまうことにもなりかねません。

勉強のスケジュールを作ると言うことは、「何を勉強すれば良いのかを明確にする」ことと、「必要な勉強をやり忘れないようにする」といった両方で効果があります。

7. メンタル状態を保つ

漫画の2月の勝者にも出てきましたが、受験の直前期は家庭でのいざこざは避けるべきです。

子どものメンタルははかなく壊れやすいものです。ちょっとした親子げんかでモチベーションが大きく下がってしまいます。

直前期はたった1日であっても大切な時期です。その様なときに親子げんかが原因で貴重な時間は失わないようにしなければ行けません。

子どもが勉強していなかったり、ダラダラしている姿を見ると、どうしても口を出したくなるかも知れません。

私もそういうときがありましたが、最後の2カ月ぐらいはそれをぐっと我慢してできる限り子どものメンタルに影響を与えないように気をつけました。

8. 1月受験を受ける

ここからは、受験本番のスケジュールについて少し振り返りたいと思います。

東京や神奈川の受験の場合、1月のいわゆる前受けで、埼玉や千葉、また出張受験をしている地方校の受験を受けておくことは大切です。

よく言われるのは、12月の模試から2月の本番まで実力を測るテストが無いため、1月の受験がそれに該当する、と言うことです。得点が開示されるような学校のテストを受ければ、そういった効果も期待できるでしょう。

もちろんそれも大きいのですが、もう1つ大きいのは、実際に受験本番の環境に慣れることかと思います。

特に、2月の受験では午前と午後で1日の間に2校受験するスケジュールを組むことも多いはずです。

12月までの模試でも、同じ日にやっているものも中にはあるため、複数の模試を同日に受けることで午前・午後受験を試すことは出来るのですが(実際我が家は1度だけですが、そのようにして模試を受けました)、やはり模試と本番の受験は違います。

1月受験はこの午前と午後の受験の体験にも役に立ちます。受験は1日1校であってもかなりの体力を使います。それが2校ともなれば、どれほどのものか、これは実際に体験してみなければ分からないでしょう。特に試験を受けるのはまだ12歳の子どもである、と言うことも重要なポイントです。

実際我が家の子どもも、この1月に午前・午後受験を体験したことで、思っていたよりも体力が削られることを実感し、本番の2月では午後の試験に向けて午前の学校では体力がキープできるように、考えて試験を受けることが出来ました。

こういったことも含めて、1月受験は本番に向けて色々なシミュレーションが出来る場として、最大限活用しておくべきです。

9. 併願校は早い段階で合格を取れる学校を

いよいよ受験本番です。東京の場合であれば、2月1日~4日、場合によっては6日ぐらいまで試験が続くこととなります。

もちろん2月1日に志望校に合格し、それで終われれば最善でしょう。しかし、そううまくいくとは限りません。

ここで重要なことは、やはり早い段階で合格を1つはとっておくと言うことでしょう。

1月の前受校に通うことが出来るのであれば、そこでの合格を使うことも出来ます。ただ通うことが出来ない範囲の学校であれば、やはり2月1日の午前か午後のどちらかは「安全校」を入れておき、この段階で合格をとっておくべきです。

子どもは1つの「不合格」でもかなりのメンタルダメージを受けてしまいます。そして受験はその日当日の「気持ち」に非常に大きく影響されてしまいます。

たまに、メンタルに影響されるぐらいなら元から受からなかったんだろう、と言う人もいますが、それは間違いです。

大学受験ぐらいにまでなれば、ある程度メンタルを実力で克服できるかも知れません。そうであっても、大学受験でもメンタルが影響して実力を発揮できないことは良くあるのです。

それが、小学生の子どもが受ける中学受験では、その影響はどれほどのものか、想像に難くは無いでしょう。

早いうちに「合格」が取れずに「不合格」ばかりが続くと、子どもの精神はどんどん追い詰められてしまい、実力を発揮することが難しくなっていきます。そうすると、実力通りであればまったく問題ない「安全校」であっても、思いもよらない結果にもなります。

また本命校でも複数受験が出来る場合も多いでしょう。たとえ1日目は不合格になってしまっても、2日目、3日目と何回も受ける予定であれば、やはりどこか他に合格校がある状態で受けるのと、どこも合格していない背水の陣で受けるのとでは、大きな違いがでるはずです。

そしてたとえ第1志望ではない安全校であっても、早い段階で合格をとれることは、それ以降の日程が組みやすいと言うことにもなります。もし1日目に本命校が不合格で、安全校に合格できている状態であれば、2日目以降は本命校の2回目以降の試験にだけ集中して臨めます。もし本命校が1日だけの試験であれば、別の学校の試験を試しに受けてみる、と言うことも考えられます。

これが、1日目に安全校の合格が取れていない状況であれば、2日目以降も本命校に集中することが出来ず、先ずは合格をとることを優先せざるを得なくなります。精神的にダメージを負った状態でそうなると、スケジュールの融通も大きく制約を受けてしまいます。

分かっていて当然なことではあるかも知れませんが、やはり早い段階でどこか合格をとっておくと言うことは、短い受験の日程を最善な形で乗り切るには重要なことと言えるでしょう。

10. 試験本番まで学力は伸びる

最後は、子どもの学力は試験本番まで伸びる、というのは本当だったと言うことです。

我が家の場合も、試験当日の朝にちょっと見た箇所が、実際の本番に出たりしました。こういうことはあまりなくとも、やはり試験当日のその時まで学力は伸ばし続けることが出来ます。

12月の模試が終わってから、2月の試験本番までは約1カ月半ぐらいです。たった1カ月半しか無いと思うかも知れませんが、この期間が以外に長くもあります。

重要なことは、しっかりと基礎学習をしておいて土台を作っておくことです。そうすれば、直前期には応用力を磨く学習に集中することが出来、その結果、一気に学力を伸ばすことも出来ます。これまで培ってきた土台の上に、一気に建物が建てられる感じでしょうか。

試験本番の直前まで学力は伸びる、というのはその通りなのですが、そのためには、それまでに積み重ねた学習も重要だと言うことです。

ペンギン探偵の考察

子どもの受験に関する記事は3個目となってしまいました。

当初は1個だけにするつもりだったのですが、やはり中学受験期にはかなり色々なことがあったため、後で振り返るためにも記事にして残しておきたいと思いました。

状況は家庭毎により異なるため、どこかの家庭のケースがそのまま他の家庭にも当てはまる、と言うことは無いでしょう。

ただそれでも、この期間に経験できたことは、親子共に大きな糧になったことは間違いありません。

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