個人ビジネスで生き残るには複業が必須

個人ビジネスで生き残るには複業が必須

複業

私は会社員に就職すること無く個人でビジネスを始め、約20年間小さな会社を経営してきました。

その間、ビジネスの内容は結構入れ替わりがありました。10年以上の長期間続いているものもあれば、数カ月の短期間で撤退したものもあるなど様々です。

ただ1つ言えることは、個人レベルのビジネスで生き残っていくためには、単一のビジネスでは無く、「複業」はどうしても必要だと言うことです。

長く続くビジネスはほとんど無い

どのようなビジネスにも周期や流行のようなものがあります。同じようなビジネスに見えても、その中では移り変わりがあります。

例えば「広告」という業界を見ても、広告費ではかつてはテレビが最も多く、新聞もテレビに近い市場がありました。それがここ20年の間で新聞は1/3以下に縮小し、テレビも微減の状態でついにネットを下回るようになりました。

私の場合は、創業当時はWeb制作をメインにしていました。今でもWeb制作自体は多少行なっていますが、20年前は企業のホームページを作ると言うだけで仕事になりましたが、今はホームページはあるのが当たり前で、それをどう活用できるか、というレベルの話となります。

またかつては、PCだけを気にしていれば良く、IEのバージョンの違いとMacで見たときに崩れないか、何て言うことを気にしていました。それが今では、スマホで見れることは当たり前で、PCとスマホ、さらにはアプリまで考える、と言うこともあります。

Web制作だけを見てもその内容はかなり変遷しているのであり、昔はとにかく同じようなホームページを大量生産するだけで稼げていたこともありましたが、今ではその方法はとても通用しません(し、やりたくもないですが。。)。

このように、1つの「業界」の中でもビジネスモデルの変遷は起きているのです。その中で単一のビジネスを長年にわたって続けることは難易度が高く、特に個人ビジネスのレベルでは至難のわざとも言えるでしょう。

個人レベルで1つのビジネスを拡大させるには限界がある

私が元々やっていた(今も細々と続けてはいますが)Web制作会社というのは、20年前もありますし、今も存在しています。Web制作であっても、ある程度の規模に発展させて行くにはそれなりの人数が必要です。私の会社もかつては20人近いスタッフがいたことがあり、それで案件をこなしていました。

これを個人レベルでやるとなると、かなり難しいことです。今はフリーランスへの外注も含めて個人でもある程度やりやすくはなっていますが、それでも企業体としてスタッフを抱えずにやるには、「ビジネスの規模」としてはある程度の限界があります。

個人ビジネスであっても、もちろん1つのビジネスを追求して拡大していくということは可能です。ただどこかで「組織体」にするか、規模を諦めるかという分岐点があります。

売上げや規模は大きければ大きいほど良いじゃないか、と思うかも知れませんが、売上げが大きくなったからと言って必ずしも個人の自由が増えるわけではありません。逆に大きな規模になればなるほど、リスクや責任も増えていきます。

個人ビジネスでやっていくのであれば、「ある程度の規模」までの拡大にとどまりますし、逆にとどめておくべきとも言えます。そうするとやはり、1つのだけのビジネスでは不安定さがどうしても残ってしまいます。

ネットビジネスは浮き沈みが激しい

最近の個人ビジネスでは、「ネット」はほぼ切り離せないものと言えるでしょう。ブログやアフィリエイト、ネット物販ではもちろんですが、飲食店を開業したり、士業を始めたりする場合でも、ネットの必要性は変わりません。

この「ネットビジネス」というのは、浮き沈みがかなり激しいです。

例えばWebサイトへのアクセスも、Googleのアルゴリズム変動であっという間に激減したりします。ネット物販でも、Amazonのサスペンドが突然やってきて、昨日まで月商何百万円もあったアカウントが突然使えなくなったりします。

逆に「浮き」の部分もあるので、一気に発展させることが出来たりもするのが、ネットビジネスの良い点ではあります。

それでも、右肩上がりであったビジネスがいきなり「沈み」を経験することは珍しいことではなく、良くあることなのです。1つだけのビジネスでやっていれば、それが沈んだときに対応が難しくなります。

1つに依存しすぎることの危険性

ビジネスでは、1つに依存しすぎることは「危険」とも言えます。

この1つは、「1つのサイトだけ」であったり、「1つの顧客」だけであったり、「1つの販売先」だけであったりと、色々な場面で言えます。

「ブログ」であれば、収益源のブログが「メインブログ1つだけ」といも言えますし、ブログという「ビジネスモデルが1つだけ」ということもできます。「ブログを複数運営する」ことに加えて、「Youtube」など、ブログ以外のビジネスモデルを作ることも大切です。

物販であっても、Amazonのみでの販売など「販売先が1つだけ」とも言えますし、転売だけなど「販売方法が1つだけ」とも言えます。さらには、「物販」というビジネスモデルが1つだけ、という状態かも知れません。この場合は、Amazonに加えて、自社サイトも運営したり、転売に加えてOEMもやってみたり、物販に加えてアフィリエイトもやってみるなど、複数に増やして行くことが重要になります。

もちろんビジネスをやっていれば、「メイン」になるものは出てきますし、そもそも最初から何個もビジネスを育てることは至難の業です。

それでも個人的な感覚で言えば、「1つ」に頼るのは多くて50%までにした方が良いです。50%を超えてくると、どうしても単独に依存しすぎることになり、そのビジネスにもし何かがあったときに生活出来ないレベルになる可能性があります。

またそのような状態は、精神的にも良いとは言えません。例えば物販でAmazonだけに依存していると、突然のサスペンドが怖くなり、毎朝メールチェックがストレスになる、ということもあり得ます。

これ1つだけでも生活に問題ない、というようなビジネスが複数出来れば、精神状態もかなり余裕が持てるはずです。

月10万円稼ぐレベルのビジネスなら容易

個人ビジネスで(売上げでは無く収益として)月収100万円を作るのは容易なことではありません。それなりに時間もかかります。

ただ、月収10万円レベルであれば、実はどんなビジネスをやるにしてもそれほど難しくはありません。これが副業で月収数万円増やしたい、と言うのであればさらに難易度が下がるでしょう。

「複業」として複数のビジネスを運営することは難しいように思うかも知れませんが、実は売上げを拡大する方法としても近道の場合があります。

月収100万円を目指して単一のビジネスを頑張っても、10万、20万ぐらいまでは簡単に進んでも、そこから中々進まずに停滞してしまう、と言うこともあります。そうすると、月収10万円のビジネスを3個作った方が、実は早く売上げが拡大できた、ということもあり得ます。さらには、3つのビジネスにリスクが分散できるため、より安定しているとも言えます。

そのような状態になってから、その3つの中からさらに注力したいビジネスに注力すれば、ある程度の精神的な安定も得た中で行えるため、最初から1つに注力していたよりも実は効率よく拡大できたりします。

ペンギン探偵の考察

考察

私も昔は1つのビジネスでとにかく規模を求めていたこともありました。ただ、こそこまで規模の追求を求めないようになってからは、1つのビジネスでの規模追求をする「危険性」のほうが怖くなりました。

月収100万円のビジネスが1つあるよりは、月収30万円のビジネスが3個と月収10万円のビジネスが1個という状態の方が個人ビジネスとしては精神的に安心できます。

ただ1つ目のビジネスを始めた後、どの時点で複数のビジネスに展開するか、と言う部分は難しいところです。

1つのビジネスがある程度うまくいっていると、それに集中すればもっと大きく出来るのではないか、という気持ちがどうしても出てきます。ここで次のビジネスを始めるのは中々勇気がいるのですが、何かがうまく行き始めたときにこそ、実は次を用意するの好機とも言えるのです。

私もここ数年は、成功するしない関わらず、年に3個ぐらいは何らかの新しいビジネスを作るようにしています。失敗してもそれほど失うものは大きくないため、簡単に新しいビジネスを始められることも、個人ビジネスの強みとは言えます。

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