日経サイエンスは科学初心者でも理解できるか? お薦めの読み方は?

日経サイエンスは科学初心者でも理解できるか? お薦めの読み方は?

日経サイエンス

以前、科学雑誌の日経サイエンスとニュートンを比べた記事を紹介しました。

ニュートンと日経サイエンス、科学雑誌を読むならどちら?

現在も日経サイエンスは定期購読しているのですが、かつての私のように、科学初心者だけど日経サイエンスを購読しようか迷っている人もいるかと思います。今回は、科学初心者でも日経サイエンスは理解できるのか、また、2年以上購読している科学初心者の私がお薦めする読み方は何か、紹介します。

科学初心者には難しいが・・

結論から言うと、科学初心者には日経サイエンスは難しいです。

以前の記事で紹介したとおり、初心者であればニュートンの方が良いのではないかとは思います。日経サイエンスは文字が多めのため、ビジュアル重視のニュートンと比べると、実際に読む量は結構ボリュームがあります。

それでも、毎号読んでいれば科学の知識は少しずつ増えていきます。逆に知らないことの方が多いため、新しい発見の連続となり、それはそれで楽しかったりします。

私は子供たちとの会話で「科学」の話題を作れるようになり、また、最近では新型コロナウイルス関連の特集が多かったことから、コロナ関連のニュースもより深く理解することが出来ました。

そういった「発見」を楽しみながら、生活の中でも活かせる知識を得られるのが、科学雑誌の良いところかとは思います。そういうことが目的であれば、科学初心者でも日経サイエンスは役に立つはずです。

ではこんな科学初心者が、難しいながらも読み進めるためのお薦めの読み方を見ていきます。

一気に読まずに興味がある記事を少しずつ

日経サイエンスの記事は1つ1つの特集がそれなりの長さがあり、また、専門用語もそれなりに出てきます。文字が続くため、読んでいると内容が理解できなかったりもします。

そのため、一気に多くの量を読もうとすると、かなり頭がパンパンになってしまいます。

先ずは目次の順番に関係なく、「興味のある記事や特集」を選んで読むのが良いでしょう。そして特集であれば、一気に読もうとするのでなく、きりの良いところでわけながら少しずつ読む方が良いです。

特集は何個かのパーツに分かれていたりしますし、小見出し毎に区切ることも出来ます。そこを1つの目安としながら読むと、読みやすいはずです。

例えば、1日4ページぐらいずつ読めば大体1カ月で1冊を読むことが出来ます。もちろんここまで細かく分ける必要は無いですが、一気に読むと中々頭に入ってこなかったりするため、数ページずつ興味のあるところを読んでいくと、少しずつ攻略している感じで読み進めることが出来ます。

まずはダイジェストから

日経サイエンスには、目次とは別に「ダイジェスト」のコーナーがあります。各特集の内容を簡潔に紹介しているのですが、先ずはこの「ダイジェスト」を見て、興味のある特集を見つけるのも良いです。

またダイジェストは、かなりざっくりとではありますが、それぞれの特集がどんな内容を説明しているのかを頭に入れるのにも使えます。概要を先ずは掴んでから本文を読み進めていく方が、内容は理解しやすくなります。

特集よりも短いニュースから

日経サイエンスは、特集の前に国内外の科学ニュースを紹介するコーナーがあります。ほとんどのニュースは半ページほどの長さですので、特集に入る前に、先ずは何個かニュースを読んで見ると良いでしょう。

ただこのニュースも、最初から全部を読む必要はありません。タイトルだけ見て興味がありそうなものだけをピックアップして読めば良いです。

ニュースのコーナーは、最近の科学の発見や、科学界の流れ、ちょっと面白いトピックを見つけるのに役立ちます。恐らく読んだとしてもそれほど頭には残らないでしょうから、興味がある記事をいくつか読んで、記憶の片隅に入れられれば良いでしょう。

特集はKEY CONCEPTSから

特集の記事には、「KEY CONCEPTS」ととして、その特集の概要がまとめられたコーナーがあります。

ボリュームがある特集を読む時には、まずはこのKEY CONCEPTSを見て、ざっくりと概要を把握した方が理解が進みます。

またKEY CONCEPTSを見て、興味が薄そうであったり、内容が難しそうであれば、その特集を後回しにするという判断も出来ます。

全部読めなくても良い、後で読み返すことも

日経サイエンスは、全部の記事を読もうとするとかなり時間がかかります(これは他の雑誌でも同じかも知れませんが)。

そのため、基本的には興味がありそうな記事だけを毎号読めれば良いかと思います。

科学雑誌はもちろん最新の研究成果が発表されており、新しい発見がある度に古い情報はアップデートされていきます。ただだからといって、古い情報にまったく価値がなくなるわけではありません。

日経サイエンス自体も、たまに過去の記事を紹介していたりします。例えば、真鍋淑郎氏がノーベル賞した時には、氏の過去の研究の記事を特集として再掲していました。また特集の終わりには「もっと知るには・・」として、過去の日経サイエンスの号が紹介されています。

このように、過去の研究は今の成果に繋がっており、途切れるものではありません。古くなった記事でも、まだまだ価値は残ります。

じっくり読まずに難しい用語は飛ばす

科学雑誌の場合、じっくり読みながら理解したくなるかもしれません。

ただ科学初心者の場合は、じっくり読んだからと言って理解が進むかというと、そうでもないかとは思います。また科学の用語も読んですぐに忘れてしまうような単語がいくつも出てきます。

そういうものを理解や記憶しようとしながら読んでいては、中々先に進むことは出来ません。

意味を深く理解しようとはせず、速読する感じで読んでいった方が読み進むはずです。その中で、特に覚えておきたい内容が出てきた場合にのみ、少し立ち止まって用語を再確認したり、分からなければ意味を調べてみたりすれば良いかと思います。

ある程度理解できれば良いとの認識で、いちいち深く読もうとしない方が、結果としては内容を読み進めることが出来るはずです。

重要なキーワードは「今月の科学英語」で確認

日経サイエンスは「SCIENTIFIC AMERICAN」日本語版と副題が付いているように、元々はアメリカの科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本語訳版です。

そのため、巻末には「今月の科学英語」として、元になっている「SCIENTIFIC AMERICAN」で出てくるキーワードが英語でいくつか紹介されています。

ここで取り上げられているキーワードが、実はそのままその号の日経サイエンスでの重要なキーワードだったりします。ページは1ページだけでボリュームも少ない中に、各特集毎に重要キーワードがまとめられているため、ひとまずここに出てくるキーワードだけでもざっくりと頭に入れておけば、重要な単語は把握できます。

もちろん英語でも覚えても良いですが、英語に興味があるという場合で無ければ、わざわざ英語まで覚える必要は無いでしょう。

ペンギン探偵の考察

考察

科学雑誌を読むようになると、新型コロナウイルス関連のニュースでテレビの「コメンテーター」たちが話すことが、いかに根拠のないいい加減な発言であるのかが、よく分かるようになります。

単にどこかで聞き覚えがあるだけのような、思い込みにも近い話を自信満々でテレビで話す、そんな勇気はとても私にはありません。逆に、全国に自分の無知をさらけ出す勇気があるからこそ、テレビのコメンテーターなんかできる、というほうが正しいのかも知れませんが。。

テレビで科学的な話題に触れるのであれば、少なくとも日経サイエンスとニュートンぐらいは読んでから出れば良いのにな、とは思います。

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