日本語がうまい外国人とのコミュニケーションで気をつけたい5つのこと

日本語がうまい外国人とのコミュニケーションで気をつけたい5つのこと

会話

私の妻は外国人ですが、日本には10年以上住んでおり、日本語もいわゆる「ペラペラ」と言える状態です。

日本語がうまい外国人と会話をしていると、相手が外国人であることを忘れて、ついつい日本人と会話している感覚になってしまうこともあります。ただやはり、相手は日本人ではないため、通じていると思っても通じていないこともあります。

今回は私の経験から、日本語のうまい外国人とのコミュニケーションで気をつけるべき点を5つ、まとめてみます。

1.読むことが苦手

日本語を読む

日本語は「漢字」「ひらがな」「カタカナ」「アルファベット」が混ざっており、世界にある言語の中でも「読むこと」が難しい言語だと言われています。

小学生でも1000文字以上の漢字を学ぶ日本人には、なかなか分からないかも知れませんが、日本語を読むことは実はとても難しいことなのです。

特に「漢字」はくせ者です。音読みと訓読みがあり、場面によって読み方が違います。これも小さいときから日本で過ごしていれば意識しないかも知れませんが、漢字を勉強したことがない人にはとても難しいようです。

私の娘も、小学生時代をほぼ海外で過ごしたため、帰国して数年たっても未だに漢字の読みで間違うことが多くあります。小学校での数年の勉強というのは、実は基礎を築くためには非常に重要なものなのです。

また、日本人であればたとえ知らない漢字があったとしても、その部首などから大体意味が想像できたりしますが、これも漢字を習ってきたから出来ることです。

ということで、日本語を「話すことがうまい」外国人であっても、ほとんど読むことが出来ないこともあります。また、読めることは読めるのですが、日本人が普通に読むよりはとても時間がかかる場合も多いです。

読めてもスピードが違う

この読めるスピードか違うという点は、実は結構見逃されているのではないかとも思います。

例えばですが、日本では、学校で何年も英語を学習しています。実は日本人の英語レベルというのは、この教育のおかけで日本人が思っているほど低いものではなく、特に英語の読み書きについては、英語を第2言語とする国の中ではかなりの高レベルにあるのです。

ただそれでも、英語の文章を読むときには、日本語の文章を読むようには行かないはずです。子ども向けの簡単な洋書であったとしても、たとえその単語が簡単なものばかり出てきたとしても、日本語の本を読むよりはずっと時間がかかるはずです。

26文字のアルファベットしか使っていない英語の本を読むにもそれだけ時間がかかるのに、ひらがなだけでも40文字以上ある日本語を読むのがどれほど難しいかは、想像できるかとは思います。

そのため、恐らく日本人が英語を読む以上に、外国人が日本語を読むには時間がかかるはずです。この時間がかかると言うことを忘れてしまうと、会話するときに何か「読む必要」が発生すると、自分が思っている以上に相手がついてこれていないことがあります。

日本語を読むことも会話と同様問題ないと考えてしまい、これ読んでみてと簡単に言って「学校からの配布物」や「メール」を見せても、実は相手は読むのにとても時間がかかり、場合によってはその内容を理解できないこともある、と言うことは頭に入れておいた方がいいでしょう。

2.書くことはもっと苦手

日本語を書く

読むことは苦手と言いましたが、それ以上に書くことはもっと苦手のはずです。

日本人でも、「読めるけどもかけない漢字」というのは、結構あると思います。

先にも述べたように、アルファベットは26文字です。それに対して、日本語はひらがなだけでも46文字あります。これだけでアルファベットのほぼ倍ですが、さらに、カタカナも同じだけあります。ここに、漢字が加わるのです。

最近はスマホやパソコンで文字を打つことが増えたため、実際に文字を「書く」機会は減っています。

そうすると、どんどん「書く必要」自体がなくなり、外国人にとって、読むこと以上に難易度が上がります。

何か書いてもらう必要があるときには、日本語を話すことがうまい外国人であっても、相手が書けないのではないか、ということを念頭にいれておいたほうがいいです。書くことを避けるようにしたり、「ひらがなでもいいですよ」など難易度を下げて依頼する気遣いがあれば、喜ばれることでしょう。

3.方言は通じない

「方言」もコミュニケーションを妨げてしまいます。

これは、会話する相手の外国人が、日本のどこで過ごしてきたか、と言うことも関わってきます。

関西圏で過ごした人であれば、関西弁は通じるかも知れませんが、ほとんど標準語で過ごしてきた外国人にとっては、関西弁というのはある意味、別の国の言葉のように聞こえる場合もあります。特に早口で関西弁を話す人であれば、半分も理解されないかも知れません。

私の妻は関西圏で過ごしたことが少しはありましたが、それでも初めてコテコテの関西弁に触れたときには、かなり理解度が落ちていました。「あかん」「かまへん」などは、標準語のうまい外国人には通じないのではないかとは思います。

ただこれも、話す側からすると実は気づきづらいかも知れません。方言は使わないように気をつけようとしても、実は結構使っていたりします。

また方言は相手に伝わりづらいと言うことは理解しているからか、ゆっくりと話す人もいるのですが、ゆっくりと方言を話しても、実はあまり変わらなかったりします。

基本的には標準語で話すように心がけた方が無難でしょう。

4.通じていると思っても通じていないことがある

これは私の妻に限ったことなのかも知れませんが、「この前も話したでしょ」と言うことが結構あります。前も話したのに、また話さなければいけない場面がよくあるのです。

これは妻の性格(あまり人の話を聞いていない・・)なのかなと思っていたのですが、実は言葉の壁もあるのではないかと、最近は考えています。

やはり、どれほどうまく話せるかと言っても、外国語である日本語ですので、母国語で聞くほどに内容が頭に入っていないようです。

ですので、通じていると思って話していても、実は通じていなかったり、前に話したことが実は頭に入っていない、と言うこともありえます。

その点を頭に入れた上で、本当に重要な話であれば、それが相手にも分かるように説明した上で会話を進めた方が良いでしょう。

5.それは常識でしょ、は通じない

小さな頃から日本で育った人であれば、ある意味「常識」として意識せずにも考えていることでも、外国人にとってはそうではありません。

特に「無意識」に考えているような常識なことは、実際は小さな頃からの学習や周りの人との会話の中で身につけてきたことが多いため、あまり考えることもなく使っているはずです。

例えば「歴史の常識」などは、やはり国が違えばまったく通じません。

「江戸幕府は徳川家康が開いた」ぐらいの、小学校で習うレベルの歴史であっても、外国人には分からないことが多いでしょう。(ただ、このレベルの歴史であれば、日本について少し勉強している外国人であれば知っていたりはしますが・・)

ということで、歴史的な常識を前提に話しても、話が通じなかったりします。

こういうことは結構至る所もあるもので、「文学的な話」「季節の慣習」「マナー」「食事作法」「学校行事」等々、数えていけば切りがないと言えるかもしれません。

もちろん、それを知らなかったとして会話が成り立たないと言うことはまずないことです。ですが、こちらは知っていて当然と思っていても、相手はまったく知らなかったと言うこともあるため、「細かな確認」は心がけた方が、スムーズな会話が成り立つ場合があります。

「日本的な習慣」の話であればまだ気が回るかも知れないのですが、例えば「(日本の)歴史的な有名人物」についてなどは、まったく話が合わないことを前提にした方が良いでしょう。

ペンギン探偵の考察

考察

日本語うまい外国人と話していると、ついつい普通に日本人と話すことと同じような感覚になってしまいます。

ただ、やはり育ってきた文化的背景も異なるため、気づかないうちにすれ違いとなってしまうこともあります。

そういった点も意識できれば、互いを理解しながらより円滑なコミュニケーションが出来ることでしょう。

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