新聞を読むなら日刊紙ではなく週刊の中高生新聞で十分な7つの理由

新聞を読むなら日刊紙ではなく週刊の中高生新聞で十分な7つの理由

読売中高生新聞

我が家では、子供が中学生の時から読売中高生新聞を購読しています。

中高生向けの新聞ではあるのですが、大人が読んでも十分な内容ではあります。

最近、紙の新聞の購読者が大幅に減少しているのですが、我が家でももう何年も日刊紙をとっていません。日刊紙をとるくらいであれば、週刊の中高生新聞で十分であると考えています。

今回はその理由を紹介します。なお、私が読んでいるの読売中高生新聞となりますため、その前提での話となります。

1. 週刊で必要なニュース・用語がまとめられている

中高生新聞は「週刊」です。

週刊だとニュースとしての速報性が低くなるのでは無いかと思う人もいるかも知れませんが、ネットがある今、日刊紙であってもすでに配達される頃には速報性は低くなっています。

「今」のニュースはネットですぐに取得できる時代です。では必要なことは何かと言えば、「重要なニュースの選別」ではないでしょうか。

その点、週刊で紙面も限られている中高生新聞は、その週にあった「重要なニュース」のみが「簡潔」にまとめられています。もちろん情報量はずっと落ちてしまいますが、中高生が最低限これだけは知っておかなければならない、という点は抑えられているため、社会人であっても知っていて当然のニュースは含まれています。

また「重要なキーワード」は時事用語として解説されているなど、受験を意識した新聞ということで、必要な情報はしっかりと網羅されています。

加えて「週刊誌」感覚で読めるというのもメリットです。

日刊紙の朝刊は30~40ページぐらいありますが、ほとんど読まないページも多いのでは無いでしょうか。読売中高生新聞は24ページ(うち1ページは全面広告)ですので、1日3~4ページずつ読めばちょうど1週間で読めます。

1~5面までは時事性のあるニュース記事ですが、それ以降は旬の話題は取り上げられているものの、ニュースというわけでは無いため、届いてすぐに読む必要はありません。そのため、週刊誌のような感じで全ページを無駄にすること無く読むことができます。

ほとんどのページが読まれずに捨てられることが多い朝刊よりも、このほうがしっかりと活用できるはずです。

2. カラーで読みやすい構成

読売中高生新聞は全ページカラーで構成されてることから、白黒の新聞とは違い、見やすさがあります。タブロイドサイズというのも、読みやすいです。

またニュースの他にも、旬の人物へのインタビューから、エンタメやファッション情報、青春ものの漫画や読み物、中高生の活動紹介、英会話まで、限られたページの中で色々と企画が組まれています。

こういった、「中高生にも読みやすく・興味を引く」ような構成は、時間の限られた大人にとっても、読みやすい構成と言えるでしょう。

日刊紙も読みやすさは考慮して作られてはいますが、やはり興味の無い内容やまったく読まない内容も多いはずです。

その点、そもそも新聞を読む習慣が無い中高生をターゲットにしている中高生新聞では、これまで興味が無かった話題にも関心を持たせてくれる構成であり、日刊紙以上に多くの気づきが得られるはずです。

3. 時期に合わせた旬の話題がまとめられる

読売中高生新聞の1~3面には、中高生に向けて最近注目されている「旬」の話題が取り上げられています。

中高生新聞は「受験での面接・小論文」対策も目的の1つであるため、「最近注目度が高い話題」が意識的に取り上げられているのです。

この最近の「旬の話題」を抑える、と言うことは結構重要です。

時事的な大きな話題(例えば、緊急事態宣言やオリンピック)であれば、特に注意せずとも情報が入ってくるかも知れません。

ただ例えば、「SDGs」「教育改革」「電力問題」「新生活」「世界遺産」「紛争問題」など、なんとなく話題になっているものの、普段は気にしないようなニュースも多いのではないでしょうか。

そういった時事的なニュースではないものの、「旬の話題」となっている事柄を少し深掘りできるのも、中高生新聞の良いところです。時事的な大きな話題が取り上げられることも多いですが、中高生が今後の大学受験に向けて考えておくべき話題も、それと同じぐらいに取り上げられています。

情報過多の時代、そういった話題に目をとめて、時間を割いて何かを知ろうとすることは、以外と難しいものです。日刊紙であれば、日々の情報の中に埋もれてしまうでしょうし、たまに特集されていたとしても、多くの紙面の中からわざわざ読むこと無いかも知れません。

「旬の話題」をしっかりと抑えておき、最低限の知識を身につけられること、これも中高生新聞のメリットと言えるでしょう。

4. 未来的な思考の内容となっている

中高生新聞は、10代の若者にとって「将来」を意識させるような構成となっています。

大手日刊紙で大きく取り上げられる内容はどうでしょうか。どちらかと言えば、「重い話題」や「暗い話題」が多くはないでしょうか。もちろん明るい話題もありますが、新聞社自体の思考の問題もあり、それに焦点が当てられていることは少ないかも知れません。

中高生新聞であれば、何かの問題を取り上げるときも、「将来どの様に解決するか」「今後どの様な影響が出るか」「自分たちができることが何か」といったことに視点が向けられます。これは後ろ向きな視点では無く、前向きな視点であると言うことです。

また中高生に対して、色々な分野で「活躍する人」を取り上げることで、将来の自分の進路を考えるきっかけともなります。合わせて色々な分野で「頑張っている同世代の人」も取り上げており、自分たちも同じように頑張っていこう、と言う気持ちを与えてくれます。

その様な「前向きな話題」に触れることは、暗くて重い内容が多い日刊紙に触れるよりも、よほど有益であり、かつ、将来への力になるはずです。

若者たちに「未来的な思考」を考えさせてくれる内容は、大人にとっても未来的な思考へと導いてくれるものです。

5. 若者の今と声を伝えている

読売中高生新聞にも「読者アンケート」がありますが、回答しているのは、中高生の若者です。日刊紙にも「読者の声」はありますが、そこに中高生の声が載ることは少ないはずです。

ファッションやエンタメ、ライフなどで取り上げられる情報も、「若者の今」を現すものとなっていることが多いです(ファッションなどは本当に若者の今を現しているかどうかは少々疑問がありますが・・)。

特集で取り上げられるインタビューの対象も、中高生に年齢が近い、活躍する若者たちが取り上げられています。

高齢者の声に耳を傾けることももちろん必要かとは思いますが、若者の声を聴ける場や、若者の今を知れる場というのは、あまり多くはありません。日刊紙を読んでいても、その様なきっかけは増えないでしょう。高齢者や新聞社の少し上から目線の声なら聞こえるかも知れませんが・・

その点、中高生新聞は若者の今を知れる貴重な情報源にもなるはずです。

6. 社説や余分な新聞の主張がない

新聞の「社説」は人によっては読む目的になっているかも知れません。ただ、社説は一方的な新聞社の意見であり、納得できない内容や、気分を害する内容もあるでしょう。

新聞はあくまで「事実」や「事件」を伝えてくれて、それに対して「分かるように説明」してくれれば問題ない、と考えるのであれば、社説は不要です。

中高生新聞にはそういった「無駄な社説のスペース」がありません。

また、新聞社のある意味「偏見・偏向」が入った解説も、不快に感じることがあるでしょう。もしくは、そのような「偏見・偏向」に気づかずに解説を読むことも多いかも知れません。

ただ周知の通り、新聞社は決して「不偏不党」や「公平公正」なものではなく、運営会社の思想や主義があり、紙面にもそれが強く反映されています。

新聞の見出しや記事の内容にも新聞社の意見が入っています。同じ話題であっても報じる新聞社によってまったく真逆のタイトルになってしまうこともあります。

中高生新聞では運営会社の主義・主張がまったく反映されないかと言えば必ずしもそうではありませんが、紙面の都合もあるため、かなり限られていると言えるでしょう。淡々と事実を伝えながら、その背景や重要なキーワードについて、中高生にも分かるように端的に解説をしてくれます

ある意味、日刊紙よりも新聞の本来有るべき姿に近いものが中高生新聞、ということもできるかも知れません。

7. 圧倒的な価格差と無駄にならない週刊

読売新聞の朝刊のみを定期購読した場合の料金は、月額3,400円です。もう少し安い東京新聞でも月額2,950円となります。一方、読売中高生新聞は月額880円です。

日刊と週刊という大きな違いはもちろんあり、新聞のサイズも中高生新聞はタブロイドと小さくなりますが、この圧倒的な価格差はメリットになるはずです。

また読売中高生新聞は広告も多くはありません。おなじ子ども向けの新聞でも、日刊の朝日小学生新聞は非常に広告が多いことで知られています。日刊紙と同じサイズになりましたが、全ページの1/3が基本広告であり、新聞を読んでいるのか広告を読んでいるのか分からない気分になる場合もあります。

読売中高生新聞はその点、全面広告が1ページあり、PR企画もたまにありますが、広告が気になると言うことは無く、しっかりと新聞を読むことができます。新聞にとって広告は重要な収益源ではありますが、余分な広告が無いことは中高生新聞のメリットとも言えるでしょう。

最後は、最初に書いた「週刊」と言う点がやはりメリットとなります。

毎日配達される日刊紙ですが、これを毎号保存しておいて後から情報を見返す、と言うことはほとんど無いでしょう。基本的には、「ゴミ」としてためられ、良くてちり紙交換になるぐらいです。

その点、中高生新聞は週刊で1号あたりも24ページとボリュームも多くありません。そのため、毎号とっておいて後でその時々のニュースを見返るという使い方もできます。

日刊紙のように、結果として「ゴミを買っている」ということにはならず、ちゃんと「記録としての媒体」を購入することができます。

ペンギン探偵の考察

考察

ノーベル経済学を受賞したハーバート・サイモンは、「情報の豊かさは注意の貧困をもたらす」と語っています。

今は情報過多の時代です。米国での研究によれば、ネットでのシェア数と、その情報自体の質の良さというのは、関係がないことも分かっています。

多くの情報があふれる中で、どんどん注意力が貧困になっていけば、不要で質の低い情報に多大な時間をとられると言うことにもなりかねません。

日刊紙の全てが不要で質の低い情報とは言いませんが、決して高品質で必要な情報が集まっている、とも言えないでしょう。

そんな時代に、旬な重要情報を簡潔に伝えてくれる中高生新聞の存在は、意外に役に立つ存在なのかも知れません。

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