最近ではオーディオブックで読書を楽しむという人も増えているのではないでしょうか。
私は以前、「audiobook.jp」を聴き放題会員で1年ほど使っていました。ただその後、「Audible」の有料会員に乗り換えました。
今回は私がなぜaudiobook.jpからAudibleに乗り換えたのか、その理由を解説します。どちらのサービスを利用しようか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
私のオーディオブック利用方法
まず前提として、私がどの様にオーディオブックを利用しているか、簡単に説明をします。
私は基本的には他に何もできない移動時間にオーディオブックを聴いています。例えば、徒歩で移動するときや、電車で移動するときです。
そのため、1日のうちに特にオーディオブックを聴くための時間をとるということもないですし、移動時間が少なければ、それだけオーディオブックを聴く時間も少なくなります。
特に最近はあまり外出することも無くなったため、オーディオブックを聴く機会はかなり減っていると思われます。そのため、月間での平均利用時間は数時間~多くても10時間程度になるはずです。
またオーディオブックで聴く作品は、基本的にはある程度ボリュームがあるビジネス関連の書籍です(自己啓発系を含む)。小説や娯楽系など、ビジネス以外の書籍は聴きません。
今回の記事は、そんなヘビーユーザーでは無い私の利用体験として紹介しています。
両サービスの違い
audiobook.jpとAudibleとのサービスの違いについて、公式サイトを参考に簡単にまとめておきます。
audiobook.jp(おーでぃおぶっくどっとじぇーぴー)は、オトバンクが提供している「日本最大級のオーディオブック配信サービス」です。2007年にサービスを開始し(当初はFeBeの名称で提供)、2021年6月には累計会員数が200万人を突破しています。
サービスは無料会員でも利用できますが、「聴き放題(月額750円)」と、単品購入のためのポイントがお得になる「月額会員(月額550円~)」の2つの有料会員サービスがあります。
Audible(おーでぃぶる)は、Amazonが提供しているオーディオブックサービスです。コロナ禍において、国内では大きく会員数を伸ばしていることがニュースにも取り上げられています。
こちらもサービスは無料でも利用できますが、有料会員は月額1500円で、オーディオブックが購入できる「コイン」を毎月1枚もらうことができるほか、オリジナルのポッドキャストが聴き放題で利用可能になります。
では、私がaudiobook.jpからAudibleに乗り換えた理由について説明していきます。なお、私が乗り換えたのは2021年3月のため、その時点の情報であることはご了承ください。
理由1: audiobook.jpの聴き放題は、話題のビジネス書が無いか期間限定
先にも書いたとおり、私がオーディオブックで聴くのは基本的にはビジネス書です。
audiobook.jpの聴き放題にも「ビジネス」のカテゴリはあるのですが、基本的には過去の本やあまり知らない本が多い印象で、「最近話題」のビジネス書は少なく、あっても「期間限定」(1カ月)で提供されることがほとんどでした。
そのため、聴きたい本がほとんど聴き放題にはありませんでした。また期間限定での対象になっていたとしても、私の使い方からオーディオブックを聴くための時間を短期間でまとめてとることができないため、期間限定で聴いている間に期限切れとなり聴けなくなったこともありました。
例えば過去の小説やジャンルに関係なくとりあえず暇つぶしに何か聴きたい、と言うのであれば聴き放題というのは十分に選択肢になるかと考えられます。
ただ私のように、話題のビジネス書を読む時間があまりないけど、空き時間にオーディオブックで聴きたい、と言う場合にはaudiobook.jpはあまり適しませんでした。
また、期間限定本は期間が過ぎると保管もできないため、後で聞き返すこともできません。ビジネス書は、後でもう一度内容を確認したくなる場合もあるため、特定の期間だけしか手元に無いと言うのも、デメリットになります。
理由2: 聴き放題を使うほどは聴く時間が無い
オーディオブックの1冊あたりの長さは、本によって様々です。私が聴きたいビジネス書の場合は、大体5~10時間程度のものが多くなっていました。
そうすると、1カ月に聴けるのは1冊か2冊程度しかありません。つまり、わざわざ聴き放題で聴くほど、時間が取れませんでした。
例えば、1冊1時間程度で聴ける小説などを何冊も聴く場合であれば聴き放題は良いかもしれませんが、比較的ボリュームがある本であれば、そもそも何冊も聴くことができません。
理由3: audiobook.jpのアプリは良く落ちた
これは、私が使っているスマホとの相性もあったのかも知れませんが、audiobook.jpのスマホアプリは落ちたり、接続できなかったりすることが良くありました。
そのため、せっかく聴きたいと思ったときに聴くことができず、諦めないといけなくなったことが何度もありました。
特に月額の更新時期には情報がうまく更新されていないためか、接続ができづらくなることが多かったです。
これは限られた時間に聴く者にとっては、作品の有無と並んで大きなポイントです。
Audibleのアプリもたまに落ちることがありますが、audiobook.jpに比べればかなり安定しており、聴きたいときに聴けないといったことはほぼありません。
理由4: 「ONLY FROM audible」の存在
Audibleには、「ONLY FROM audible」という作品があります。これは、Audibleとその関連サービスでしか利用できない音声作品です。
AudibleはAmazonが運営していると言うことで、特に海外の人気ビジネス書の翻訳版は「ONLY FROM audible」になっているものが多数有ります。
ただ、朗読者・制作者を変えて他社が音声作品化する場合があるため、ONLY FROM audibleの作品でもは実はaudiobook.jpで聴けるものは結構あります(ナレーターや再生時間などは異なります)。一方でそのような作品は基本的には「聴き放題」の対象にはなっていないため、単品購入をする必要があります。
私が聴きたい作品は「ONLY FROM audible」のものが多くあったというのも、乗り換えた理由の1つです。
もちろん単品購入であればaudiobook.jpで購入できるもの多数有ったのですが、その場合、1冊1500円(Audibleの1カ月分の料金)で購入できるかと言えばそうではなく、ほとんどがそれ以上の金額となります。(恐らく、1980円ぐらいが多かったかと思います)
audiobook.jpにも月額会員という、単品購入のポイントがお得に購入でききる会員サービスもあるのですが、月額1100円の場合は+120ポイント(120円分)のポイントが加算されるだけですので、結果としてAudibleより高い費用を払うことになります。
なお、1冊あたりの単純な単価で言えば、海外の人気ビジネス書の翻訳版は、audiobook.jpのほうが安いものが多いと思います。Audibleはあくまで「コイン(1500円)」で購入できるため安くなると言う前提のため、もし複数冊を毎月購入して聴くのであれば、audiobook.jpのほうが良いかもしれません。
「ONLY FROM audible」がどこまで本当にAudibleだけでしか聴けない作品なのかは正直疑問な部分もあるのですが、少なくとも私が聴きたい話題のビジネス書はAudibleで提供される可能性が高く、金額的負担もaudiobook.jpより安く済む、というのもメリットでした。
理由5: Audibleは倍速の調節が細かくできる
Audibleもaudiobook,jpも倍速で聴く設定を変えることができます。
それぞれある程度細かく設定できるのですが、Audibleは0.05単位で出来るのに対し、audiobook.jpは0.1単位となっています。
この程度の差はほとんど気にならないという人も多いかも知れません。ただ私の場合、1.1倍速だと早口に感じたのに対し、1.05倍速であれば、速度を速くしていることが分からない程度に聴くことができました。
ここで、1.05倍速で聴くのであれば、通常速度で聴くのと大して変わらないのではないか、と思う人もいるかも知れません。
ですが、例えば10時間の本を聴いた場合、5%早く聴けたとすると30分時間を節約することができます。
わずか5%なのですが、聴く時間が長くなればなるほど、この小さな差が積み重なっていきます。
こういった細かいアプリの性能の差というのも、Audibleとaudiobook.jpには存在しています。
理由6: ポッドキャストのチャンネルが充実している
audiobook.jpにもAudibleにもオーディオブックの他に、「ポッドキャスト」チャンネルが存在しています。
このポッドキャストの内容が、Audibleは充実しているのです。
ポッドキャストなんて無料で聴けるものもたくさんあるのではないか、と思う人もいるかも知れません。
ただAudibleのポッドキャストは、Amazon自身も力を入れていると発表しているとおり、クオリティが高い作品が揃っています。
それは、「audible ORIGINAL」として、AmazonがAudibleのポッドキャスト専用に完全新作のオリジナル作品を複数制作していることにも表れています。
「ポッドキャスト」は単なるおまけサービスと思われるかも知れませんが、Audibleのチャンネルは、「audible ORIGINAL」以外の作品も含めて単なるおまけでは無く、単独のコンテンツとしても十分に利用できるほどのラインアップと言えます。
有料会員となればAudibleのポッドキャストは聴き放題ですので、これは空き時間や作業時間などにバックグラウンドで再生させておくにも良いものではないかと思います。
理由7: 解約しても聴ける
Audibleは、有料会員を解約してもコインで購入した本は聴き続けることができます。
一方、audiobook.jpの聴き放題は、無料会員になるとダウンロードしたコンテンツも聴けなくなります(単品購入した本はもちろん聴けますが)。
私のように限られた時間で聴いている場合、ある程度継続していると、Audibleのコインが貯まってしまう場合があります。
そうすると、一旦聴きたい本を購入しておいて解約し、購入した本を全て聴き終わった後にもう1度会員になる、という方法が出来るのです。
時間が限られている場合は、こういった利用方法が採れるというのもメリットになるでしょう。
ペンギン探偵の考察
英語での原著はそれほどでも無かったりするのですが、ビジネス書の翻訳版は紙で購入すると結構な分量になっている場合が多いです。
これまでも購入して読み始めたものの、読み終わらずに途中まで読んだ本が結構ありました。
最近はKindleの電子書籍で購入することも多くなりましたが、それでも読みかけたはいいものの、長いため途中で他の本を読み始めることが度々です。
オーディオブックは、聴き終わるまでとにかく同じ本を聴き続ければいいため、読了率が上がりました。
そのためにも、途中で期間が終了するものではなく、いつまでも所有できることというのは、スローリスナーにとっては大きなメリットになっています。