クラウドソーシングサイトは、最近は仕事を得る場としても、仕事を依頼する場としても、利用する人が多くなっているサービスです。
以前、クラウドソーシングサイトで「発注者側が注目している応募者のポイント」について紹介しました。
クラウドソーシング、発注者側が注目している応募者のポイントは?
今回は、発注者側の視点に立ち、良い受注者を見つけるためのポイントについて、紹介します。
以前も紹介しましたが、私の場合は、クラウドソーシングサイトで毎月数十万円単位で依頼を行っており、サポート担当もついてもらっていることから、ある程度のボリュームを持つ発注者となっています。
これまでの依頼案件は既に1000件を超えていますが、そのほとんどがライティング案件となっているため、今回は、「良いライター」を見つけるためのポイントについて、解説していきます。
安すぎる案件単価は避ける
案件単価をいくらにするかは、最初に決めるべきポイントの1つと言えるでしょう。
クラウドソーシングサイトも参考価格を示していますが、「適正価格」というのは、中々難しいものです。
必ずしも、サイトの参考価格通りにする必要はありませんが、安すぎる単価は避けた方が良いです。
クラウドソーシングでは確かに安い単価でも募集が集まることも多くありますが、やはり、一定のレベル以上の人を集めることは難しいです。
また安い案件であれば応募者もそれなりの対応となり、期待した結果を得られないこともあるでしょう。
むやみに高くする必要も無いですが、常識的な金額の設定は必要です。
案件単価を高くしても良いライターが集まるとは限らない
安すぎる単価は避けるべき、と書きましたが、では高くすれば良いライターが集まるのかというと、そうでもない点が難しいところです。
もちろん、一定の単価以上しか受けないという人もいるため、高単価にすることでそういった人たちを集めることは出来ます。
ただそれ以上に、高単価につられて応募してくる人も増えるため、質の良くないライターの応募も増えてしまうのです。
やみくもに最初から高い金額を提示するのではなく、先ずはある程度の適正な価格で募集した上で、ある程度高いレベルを持つ応募者がいれば、個別に高単価のオファーを出した方が良いでしょう。
実績数は参考程度に
誰を採用するかを判断する基準の1つが、「実績」になるはずです。
クラウドソーシングサイトで募集をしたことがあまり無い人にとっては、実績が多い人が応募してくれることは、それだけで依頼したくなるかも知れません。
ただ過去の「実績数」は、特にライティングに関しては、「参考」程度にしておいた方が良いです。
もちろん、実績数が少ない人であれば依頼することに不安になるかもしれません。ただ、例えば数百件の実績を持つなど、かなり突出した実績数を持つ人の場合、いわゆる量産型のまとめ記事ライターであるパターンも多いです。
これは記事を書いてもらえば分かりますが、とにかく依頼を大量に受けて実績をこなしているため、どこかで読んだことがあるような「まとめ記事」の体裁で記事を書く人です。
それでも良いような案件であれば問題ないかも知れませんが、クオリティはあまり期待は出来ないでしょう。
ある程度のしっかり記事を書いてくれるライターの場合は、極端な数の実績数にはならない人も多いため、実績数の数だけに惑わされない方が良いです。
スカウトメールを利用する
私が応募するときは、基本的には非公開案件として、スカウトメールを利用しています。
スカウトメールは、特定の登録者を指定して送信する方法と、条件を指定して一斉配信する方法がありますが、利用するのは、条件を指定した一斉配信です。
スカウトメールを利用する最大のメリットは、応募数を増やすことが出来ることです。配信する場合と、公開案件として配信せずに募集するときでは、応募数に数倍程度の差が出ることも多くあります。
また、スカウトメールの条件はある程度の指定できるため、例えば、実績が0件の登録者を除いたり、プロフィールに特定のキーワードがある人にだけに配信するなどが可能です。
こうすることで、あまりに条件が合わない人が応募してくることも避けることが出来、効率よく依頼者を選ぶことも可能となります。
デメリットは単価が高いことがあげられますが、ある程度以上の数を配信する場合はディスカウントが受けられることもあるため、継続して配信する予定の場合は、事前にクラウドソーシングサイトの運営者側に相談してみる方が良いでしょう。
私も一定数以上を定期配信することで、通常価格よりかなり安い単価で配信していますので、サイト上で提示されている単価だけに惑わされることなく、積極的に利用を検討してみてください。
応募文を確認する
案件への応募時に書いてくる文章も、見分けるポイントとなります。
明らかに募集内容を読んでいないな、と言うような応募者は、依頼しても期待する効果を得られず、また、連絡の手間もかかることが多いため、依頼は避けた方が無難でしょう。
どんな応募者がその様な条件に該当するかといえば、「頑張りますので宜しくお願いします」など、単文で応募してくる人や、明らかにコピペと分かるような内容で応募してくる人、募集文の中に応募時の必要事項を書いているにもかかわらず、それを無視して応募してくるような人です。
できるかぎり、しっかりと募集文を確認しており、その内容に合わせて応募してくる人を選ぶようにすれば、依頼後もスムーズに進められるようになるでしょう。
実績を送ってもらう
関連する案件の過去の実績を送ってもらうことも、選定ポイントの1つとなります。
エンタメ系やまとめ系の記事ばかり書いている人に、ビジネス系や堅めの文章を依頼すると、想定と違った記事になる可能性は低くはないです。
ライターそれぞれに得意分野があります。分からない分野でも調べてかけますという人もいますが、そういう人は、ネットで調べた情報をまとめ記事のように書くパターンが多いため、あまり質の良い記事は期待できないでしょう。
それぞれの得意分野を見分けて、依頼しようとする記事が書けるかどうか判断するためにも、先ずは実績を送ってもらって確認するほうが良いです。
1~2本の依頼をする
依頼したいという人がある程度決まった場合、最終的には、1、2本程度の少量を実際に依頼してみることが良いです。
応募文の内容や実績によって、ある程度はライターのレベルが分かりますが、やはり、実際に募集した内容に合わせた記事を書くことが出来るかどうかは、記事を書いてもらって判断することが最も分かりやすいです。
1~2本の少量を依頼することで、ライターの対応の仕方も分かりますし、記事の質もこちらの求めるレベルに達するものか、判断することが出来ます。
そもそも1~2本しか依頼しないつもりであれば必要は無いですが、ある程度のボリュームを継続して依頼したいと考えている場合、いきなり誰かに決めて依頼していくこともリスクがあると言えます。
そのため、テスト案件を依頼してみることを、依頼のための最終関門とすることとは、ミスマッチを防ぐ意味でも役に立ちます。
なお、テスト案件時の単価について本番よりも安くする人もいるようですが、1~2本の依頼であれば、本番ど同等の単価にした方が、依頼を受ける人も気持ちよく仕事が出来るため、ここであまり予算を抑えようとは考えない方が良いです。
ペンギン探偵の考察
クラウドソーシングサイトで依頼するときに、「良い人材」に巡り会うことが出来ず、「安いけどレベルもそれなり」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
ただ最近は、経験豊富で既にリタイアしたシニア層や、海外在住で経験を持ちながら仕事を探している人などの登録も増えているように感じます。
しっかりとした条件で募集をすれば、自ら望むレベルにあった人を採用することも難しくはありません。少しの点を注意することでミスマッチを防げます。自らの募集の内容が応募する人にとって分かりやすくなっているか、その点も気をつけて見ると、応募してくる人の内容にも変化があるかも知れません。